プーケット(97年2月7日〜10日)

第 三 日
ピピ島、タイ最後の秘島。この世の楽園。が、その道のりは遠い...。この日、みんなの疲れはピークに達する。
今回の最大の楽しみ、ピピ島ツアー。プーケット島から東へ48km、ピピ島はタイ最後の秘島と言われる。早朝07:00にホテルでピックアップされ、そのまま、バスで南部にあるプーケット港へ。

約1時間ほどで到着。プーケット港は観光港というより漁港である。が、その時間帯はピピ島ツアーの観光者でごった返していた。ツアーの船と思われるものが3隻、乗客を待っている。2隻は大型クルーザーで誰も乗っていない。1隻は昨日パンガー湾で乗ったそれと余り変わらない小型観光船で既に乗客が出港を待っている。

ピピ島までスピードボートで約1時間30分、ボートで約3時間を事前情報で入手していた我々は当然、スピードボートで快適な航海を頭に描いていた。

ツアーの担当者は我々に一番向うのボートに乗れと言う。それは乗客で満席状態の小型観光船である。乗ってみると???。やはり満席。座れる座席が無い。もちろん、エアコン無し。加えて大型観光バスで乗り付けた他のツアー客が続々と乗り込んでくる。船上は夏の伊豆七島に向かう東海汽船よりもまだひどい混雑。ようやく、デッキの床上にスペースを見付け2家族8名、そこにあぐらを掻く。

何かおかしい。大人達に不安がよぎる。

出港である。プーケット港を出て10分。ありゃ?さきほどの大型クルーザー2隻が意気揚々と我々のボートを軽く追い越していく。

ん?ん?。今、乗っているのは.....きっとスピードボートでは無い。ようやく我々は置かれた状況が理解できた。ローカルの安ツアーを申し込んだ我々は片道3時間のボートに乗っているのだ。まるで難民船のような.....。

 

写真左:昔々海賊の隠れ家だったと言われる洞窟 写真中・右:ピピ島のトン・サイ・ビーチ

11:00過ぎ、ようやくピピ島へ到着した。その海はかって見た事のない澄んだエメラルドグリーンをしている。パンを海に投げると色鮮やかな魚たちが寄ってくる。「奇麗な海」。ここの為にある言葉だ。さあ、ツアーに入っているグラスボートに乗る事となった。グラスボートは潜水艦のような船腹の窓から海中が見えるものである。

が、......。乗った船は普通の渡し舟である。グラスはどこ?。船員に聞くと床木をはぐれと言っている。言われたままにそれをはぐるとグラスがあった。何?これがグラスボート?。確かにこれもグラスボートであるがグラスが曇って何も見えない。流石、安ツアーである。

写真左:パンを投げると魚が寄ってくる 写真中・右:ピピ島での海水浴

そのグラスボートで、ピピ島のビーチへ。ようやく、ビーチでのんびり出来る。思い思いにビールを飲んだり海に入ったりで一時の幸福に浸る。特に特筆すべきはその海である。透明度も高く、優雅に泳ぐ熱帯魚を間近に見る事が出来る。太陽に照らされた海がキラキラと輝き楽園気分を堪能した。

ちなみにディカプリオ主演「The Beach」はここでロケされた。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、午後2時30分となっていた。ここでまたまた問題発生。誰も帰りの船の出航時間を知らないのだ。偶然、日本人のダイビングインストラクターが通りかかり、帰りの船の時間を聞いてみた。

なんと、それは午後2時30分出航。.....。一瞬の沈黙の後、あせった。全員あせった。子供の水着だけ着替えさせ大人はそのまま船へもうダッシュ。

間に合った。と、いうより船が我々を待っていたようだ。

帰りも船上は大混雑。午後の炎天下、日よけが無いデッキで全員寝そべる。暑い。でも座席が無い。このまま、再度3時間の帰路、プーケット港へ船は出航した。到着後、ホテルへ直行し、その夜部屋の明かりは早々と消えたのは言うまでもない。

明日は午後シンガポールに帰る予定だ。午前中は寝ていたい。でも......。