Australia Ayers Rock , Perth (2004年122日〜25)

第3日(1月24日)

ウルル(エアーズロック)サンライズ、麓めぐり、登山ツアー

ツアーバス。4時はまだ暗い

山火事発生!

オーストラリア、ノーザンテリトリーの中南部はレッドセンターと呼ばれ砂漠性の
気候でその赤い大地の中に世界最大級の一枚岩ウルル(エアーズロック)は横
たわっている。高さは348メートル、周囲9.4キロ。周囲を歩くと優に約2時間半は
かかると言う巨大な岩である。

地上に出ているのは全体のほんの一部であり地質学者によると、残りの大部分
(最高6キロ分)は地下に埋まっているとされている。また世界遺産には自然、文
化の2つのカテゴリーで登録されておりオーストラリア先住民アボリジニの聖地
でもある。(ウルルはアボジリニの呼称であり現地では彼らに敬意を表しウルル
としか呼ばない。従い当旅行記も以下ウルルと呼ぶ)

今日はそのウルルサンライズ、麓めぐり、登山ツアー及びカタ・ジュタ(オルガ岩
群)&ウルル(エアーズロック)・サンセットツアーに参加する。念願のウルル登
頂の日である

サンライズツアーの集合時間はなんと!朝4時45分。寝起きの悪い子供達を考
慮し起床を4時とした。まだまだ暗い中、定刻通り集合場所に行くと今回のツア
ーガイド、日本語堪能なオージー、リチャードさんが点呼を行なっている。我々の
名前を告げ待機していると、、、「山火事発生!」のニュースが飛び込む。ウルル
までの往路に火が接近しているとの事。

15分ほど待機したがなんとかツアー出発となった。まだ火事は続いているが道
は通れるようだ。約10分ほどバスが走ったところで夜空が明るくなっているのを
発見。その下を見ると大地が燃え上がっている。徐々に近づく。おおっ〜!「大
地が燃えている〜」。消防車が道端で待機している中、バスは無事通過。

そして最初の目的地、サンライズビューポイントに向かう。暗闇であるがウルル
が近づいてくるのが解かる。近くで見る黒いウルルは迫力満点である。


今日の日の出は午前6時20分頃。我々のバスは5時40分にはビューポイントに到着。コーヒーを飲みながらツアー用のパ
イプ椅子に腰を下ろして日の出を待つ。6時頃にはかなり明るくなってきた。空を見ると雲が意外と多い。どうも雨予報が
出ているらしい。(これが予期せぬ事態の始まりだった)。

そして6時20分頃にはすっかり明るくなり目の前の巨岩ウルルは赤茶色を増して行った。

そして次の目的地に出発する事になった。いよいよ念願のウルル登山であるっ!。子供達は早々にダイソーで購入した
イボイボ付軍手を手にし最初の難所部分でのチェーン対策へ準備を行ない、やる気・期待感は最高潮に達している。




まだ暗いがうっすらとウルルが見え始める


かなり明るくなってきた。


曇り空も赤く染まってきた


登山口。誰も居ない。

ビューポイントからガイド、リチャードさんの説明を聞きながら約15分ほどで登山口に
到着。すると、んっ?誰も居ない?。なんと登山口のゲートが開いていないのだっ!。
予期せぬ出来事が発生したのだ。

天気予報によると3時間以内に雨が降る予報があり、この場合、登山禁止となってい
る。下から見る登山口はゲートから100mほど先からチェーンが敷設してありその先は
もの凄い急勾配が何百メートルも続いている。雨が降ると滑り易くなり非常に危険で
ある。ゲートを閉めるのもやむを得ないと感じる。

西側の空を見ると今にも雨が落ちてきそうな天候であり登山口周辺も少し曇ってい
る。しかしゲートが閉まる事は良くある事で突然開く事も有るらしい。よってすぐに天候
が回復し開くだろうと勝手な期待感を持ち、取りあえず次のツアー行程である麓めぐ
りに行く事になった。


このツアーのガイド、リチャードさん

雨水が溜まって出来た池もある

ここでも野生の鳥は逞しく生きる

まずはウルルの南側の麓を探索する。山肌に近づくと微妙に山肌の色が違う事に気
付く。また、雨水が流れた後には植物が生長しており自然の力強さを垣間見る。

遊歩道を少し歩くと目の前が開けそこに雨水が溜まって出来た池があった。色々ガイ
ドのリチャードさんが説明してくれるが立ち止まると(歩いていても同様だが)一瞬にし
てハエの攻撃を受ける。他の参加者もそうだがこれには随分悩まされた。

ここでの麓めぐりが終わると一旦登山ゲートの様子を観に行く事になった。皆、心中ゲ
ートが開いているように祈るも先ほどと状況は変化なし。閉鎖のままであった。徐々
に今日、登れるのか不安になる。

そしてアボジリニ文化センターへのトイレ休憩となった。登山口から5分の距離。その
後、再度登山口に出向くが閉鎖のまま。不安が諦めに変り始めた。

ここでまた次の行程で北側の麓めぐりとなった。この北側の遊歩道はマラ・ウォークと
呼ばれ、大きな洞窟、滝、そしてアボジリニが書いた貴重な壁画が点在しているルー
トである。ここは登山口から歩いていく。

大きな洞窟。風で舞い上がった砂塵で出来た

洞窟内の壁画

このマラ・マラ・ウォークの後、登山口に戻るとゲートは閉鎖のまま。結局、本日の登
山は中止となった。

ガイドのリチャードさんから「明日朝、まだ滞在している方は無料で再度登山ツアーに
参加できる」と聞き、明日に希望を託し再挑戦することにした。

落胆と明日への希望を胸に仕舞い我々はリゾートへ戻った。そして午後からのカタ・
ジュタ(オルガ岩群)&ウルル・サンセットツアーに備える、、、。


ウルルの岩肌。色々な顔を持つ。真中の空洞は宮崎駿監督のアニメ映画のヒントになったそうだ。



カタ・ジュタ(オルガ岩群)&ウルル(エアーズロック)・サンセットツアー

バスの車窓からカタ・ジュタが見え始める





途中の展望台からカタジュタを臨む

エアーズロックの西、総面積約35km2に渡って広がる大小36個の岩から成る
奇岩群がカタ・ジュタ(オルガ岩群)である。最も高い岩山はウルルを更に200
メートルもしのぐ高さがある。

カタ・ジュタとはアボリジニの言葉で「たくさんの頭」という意味で実際、ドーム
状の36個の岩が並ぶ景観は見る角度ごとに違った表情を見せてくれる。(カ
タ・ジュタもアボジリニの呼称であり現地では彼らに敬意を表しカタ・ジュタとし
か呼ばない。従い当旅行記も以下オルガ岩群をカタ・ジュタと呼ぶ)。

又、このカタ・ジュタは宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」のモデルとなった
事でも有名である。

ところでエアーズロックリゾート発のツアーは日本語、英語の両方が選択でき
るが日本語ツアーは約30%ほど割高になっている。従いこのカタ・ジュタ&ウル
ルサンセットツアーはコストダウンの観点から英語ツアーを選択した。

このツアーのガイドはバスの運転手が兼ねており運転しながら自分の視界に
飛び込んできたものを次々に説明している。が、家内・子供達は彼の英語が
よく解からず良く寝ていた、、、、、。

15:30にリゾートを出発し約30分ほど走った所で一旦バスを降りる。ここにカタ・
ジュタを臨む展望台があるのだ。砂漠のど真ん中にある展望台は駐車場から
歩道が完備されており展望台も屋根付きで中々のもの。ここで30分時間が取
られ、しばしその景観を堪能する。

バスでその展望台から更に20分程走るとカタ・ジュタに到着だ。天候は快晴で
日差しが強い。我々はバスを降りその太陽の下、風の谷を目指し我々はトレ
イルを歩いて行った。


これがカタ・ジュタのトレイル


両側には断崖絶壁が続く

ここがルートの最終地点。今来た道を見
下ろす


カタ・ジュタを西側から臨む。いつか見た
風景

このトレイルは比較的なだらかもゴツゴツと岩が飛び出している個所もあり少々
歩きづらい。ここでの停車時間が約1時間と聞き、結構早足で我々は歩いていく。

その沿道には砂漠地帯にも関わらず花を咲かせる植物も豊富でなんと水溜りの
中にはおたまじゃくしが泳いでいる。トレイルも半分を過ぎると両側には高くそそ
り立つ岩壁が我々を出迎える。高さにして100m以上あるであろう。その岩肌も風
雨にさらされ微妙な色、形を醸し出している。

そしてトレイル終点の展望台に到着。駐車場から約30分強の距離。そして今、歩
いてきた道を見下ろす。谷間から見下ろすと遥か彼方、地平線まで臨む事が出
来る。ここでもしばしこの景観に酔いしれる。駐車場までの帰路は下り道で比較
的楽である。バスに戻るとツアー参加者の殆どはバスで待機しておりトレッキン
グに行ったのはほんの一部であった。



バスは一旦カタ・ジュタへ来た道と反対側、西側にあるビューポイントに止ま
りトイレ休憩を取る。往路で見たカタ・ジュタとはまるで違う顔を見せてくれ
た。

この後、このツアーのメインであるウルルサンセットに向かった。

来た道を戻ると約30分でウルル西側にあるサンセットビューポイントに到着。
バスを降りると雄大なウルルが目の前だ!。今日の日没は19時40分頃。そ
れまでの間、ツアー参加者にワインが振舞われる。

赤、白ワイン両方有り私と家内は赤ワインで乾杯!。沈み行く太陽に輝きが
映えるウルルを見ながらのワインは格別であった。子供達はレモネードで乾
杯。次男君はハエ防止用のネットが気に入ったのか常にネットを被ってい
る。


家内とワインで乾杯!

防ハエネットは必需品?

飲み放題のワインを4杯飲み終わる頃には日も傾き徐々にウルルの山肌も
色に変化を見せ始める。夕日に照らされるウルルは赤茶色から茶色、そして
こげ茶色に色を変化させて行った。

本当に幻想的な眺めである。今朝、悪天候の為、登山出来なかった思いが
このシーンを目の当たりにする事によって少し和らげられた。

リゾートへの帰り道、登山口付近がバスから見えた。明日こそは!と、言う
思いが脳裏をよぎる。



カンガルーの肉を食す

4杯飲んだワインがすきっ腹に効きほろ酔い気分でリゾートに到着。時間は20時
を回っていた。夕食には我々のホテルの隣にあるデザート・ガーデンズ・ホテル
内の
ホワイトガムズレストランを既に予約していた。

このレストランはブッフェスタイルでノーザンテリトリー独特の味を中心にくつろい
で食事ができる。子供達の大好きなブッフェであり次々に肉類を取っては腹一杯
食っていた。極めつけはカンガルーの肉である。まずまずの味も癖がある。

私と家内は例によってフォスターラガーで乾杯。朝4時起床の疲れた体に冷えた
ビールと美味い食事は最高だ!。

食後、リゾートの展望台に行ってみる。空は満天の星空。ケアンズで見た星空と
変わらないほど星が多く天の川まで手が届きそうだ。明日の登山ツアー出発は
6時45分。流石にこの夜はワインも飲まずバタンキューで早々に就寝した。